2012-05-16
京都での本番が終了
5月12、13日と京都で本番があった。
「人の体を展示する」というコンセプトの第一部と、「生と死の間を行き来する体」というコンセプトの第二部の構成でした。
そのどちらもとてもやりがいのあるものだった。
そもそもこの企画は京都造形芸術大学のプロジェクトの一環として行われた。
同大学の準教授である伊藤キム氏が先頭に立って、東京からダンサーを4人、京都を中心に活動するダンサーを14人、それに学生18人を合わせた36人で上演された。
プロと学生がこれほどの規模で作品製作をともにするというのも珍しく、それだけでも刺激的だった。
第一部は劇場空間ではなく、大学のギャラリースペースや通路を使って入場無料で行われた。
さまざまな場所にダンサーが「展示」されていて、観客はそれぞれ自由にまるで動物園を見るように歩いてまわっていく。
例えば、彫像台の上で静止しているダンサーや、ジャングルジムに捕らえられているダンサー、生きた蝶とともに網戸の部屋にいるダンサー、小さなアクリルケースの中でうずくまっているダンサー。
常に時報が場内に鳴っていて、その時間によってそれぞれの場所でまったくやっていることが違ったりするので何回見ても面白かったと思う。
ダンス作品でこのような形式を思いついたキムさんはやっぱりすごい。
以前は新宿のパークタワーホールでこの形式をはじめてやったらしいが、その衝撃はとても大きかったろうと思う。
時報がきっかり40分になると、各セクションのダンサーは持ち場を離れててんでばらばらに走り出していなくなってしまう。
その後お客さんはきちんとした劇場空間に移動し、第二部が始まる。
第二部ではお客さんは客席ではなく舞台側に設置された客席に座る。
こちらの最後には緞帳幕が上がり、客席で乱舞するダンサーを見守ることになる。
どちらにも通底しているのは通常の観劇体制にたいする反発だった。
かなり、お客さんは翻弄されたんではないだろうか。
ちょっと良い気分だ。
いや、かなり良い気分だ。
もっともっと、ぼくの知り合いの人にも見てもらいたかった。
体力的にはきつかったけど。
もっともっと見てもらいたかった。
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