2009-04-12

戦場の銃弾の代わりに日本では会話を拾ってみる

最近、「好きなものは?」と聞かれたら

「夕陽です」

と答えることにしている。

「あと、朝焼けも好きです」

と、言おうと思っているけど今のところ誰にも聞かれたことはない。

僕は夕陽を見るのが好きなので、バイトから帰る時の窓に映る夕陽は

首が痛くなる角度になっても眼を皿のようにしてみている。

犬の散歩をしていても彼女(メス)の意志は無視して20分くらいぼーっと見ている。

バイクに乗っていると事故りそうになる。

この夕陽と言うのはせっかちで

本当にきれいな時間帯はたぶん1分もないんじゃないだろうか。

しかも季節によってその時間帯はすぐに変化するし、

その時々で鮮やかな色彩も違うので

本当に破裂しそうなくらい美しい夕陽を見れるのはとても運が良い事だと思う。

ある日、僕は電車の帰り道にやっぱり夕陽を見ていた。

まあまあだった。

ふと、僕は後ろで立っている男女二人の会話を凄く注意して聞いてみた。

別に気になったからではなく、夕陽が沈んでしまったからやることがなかっただけだった。

女「でもー、何か、ただあいまいに笑った感じ」
男「えー、それ一番ひどくない?」(男は控えめな感じ)
女「ああ、ちょっと気を持たせるかなって」(控えめな感じ)
男「うん」
女「でもはっきり言ったら可哀そうじゃん・・?」
男「ああ(笑)でもシュウくんアグレッシブだからね」
女「うん。すごいメール来た」
男「どんな?」(食いついた感じではない)
女「え、何か、地元どことか、絶対最後は疑問系で締めてて(笑)」
男「すげえ(軽い笑い)あれ、情報社会学一緒だもんね」
女「うん、なんかノート見せてとか。私も取ってないんだけど(笑)」
男「あれ大丈夫だよ」
女「ていうか私ら3年じゃん。卒業できんのかな?」(別に回答が欲しいわけではない聞き方)
男「大丈夫じゃない?」
女「ていうか、シュウくんどうしよう(笑)?」
男「えー、なんで?シュウ駄目なの?」
女「えー」
男「すごい優しいじゃん」(別にシュウを養護してるわけでもない)
女「うん。優しい」(割と即答)
男「いい奴だよね」
女「いい奴だと思う。でもなんか弟って感じ」
男「あー」
女「なんか」
男「そうだね。(間)子供っぽいとこあるかも」(手探り)
女「うん。誰か好きな人いるんだって言っとこうかな?」
男「あ、ベタに?」
女「飯田先輩とかかな?」
男「あーベタ!」(格好いいらしい)
女「うん、でー、何かセッターとかでポジションかぶってるから凄い相談されたがるの(笑)」
男「あー」(どうやら大学のバレーサークルらしい)
女「セッターってさ・・。みたいな?(笑)」
男「疑問系で?」
女「うん、この間普通に無視したけど(笑)」
男「ねえよそんな悩み(笑)」
女「和田先輩とかどうかな?」(好きな人の話題に戻った)
男「彼女いるじゃん?っていうか二人とも」
女「そういうキャラで行こうかな?」
男「(笑)」
女「えっとー実は好きな人いるんですーって言えば」
男「その二人だとシュウあきらめるかも」
女「普通になんか、タフだよね」
男「うん、シカトとかされてももう、攻めるよあいつは」(シュウは割りとタフらしい)
女「うん」
男「ていうか真面目にいないの?」(女の好きな人の話しになった)
女「えー。吉岡さんとか?」
男「あー、良いんじゃない?」(まるでショーウィンドウの商品を選ぶみたいに)
女「良いよね。なんか包容力あるし」
男「うん、でももう恋愛沙汰は勘弁だよね?」
女「結局尻拭いって言うか、人間関係とか調整すんのうちらだもんね」
男「うん」
女「ていうか前4年の先輩に超怒られたし」(サークルで色恋沙汰があったらしい)
男「後は?」(矛盾なく恋の話に戻る)
女「んー?」
男「一年生に期待かな?」
女「ああ、新しい奴をあさるか(笑)」
男「(笑)あさる」

ここで、調布について女性のほうが降りる事になった。

声の感じからして女性は170センチオーバーはありそうだった。(バレーサークルだから男のほうも170後半くらいか?)

電車の中で会話している人の方向を向くのは失礼なので、

僕は降車する時に路線図を見るフリをして女性の顔をはじめて見ることが出来た。






ええええええええええ!!!!








「貴乃花」やないかーーー





いや違う。むしろ










若乃花やないかーーーー




電車の中は戦場のように会話の弾丸が飛び交っている。

この日は色々収穫があった。

ちなみに男の顔は見れなかった。

さあ寝よう。

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