2010-07-20

ワールドダンスフェスティバル終了

ひょっとこ乱舞が終わった瞬間にあった輝く未来のイベント出演が終わった。

夏合宿の参加者を集めてのイベント。

まさにお祭りだった。

ひとまずは怪我もなく終わった。

今回は色々あって振り付けは伊藤キムさんが行った。

「もう振り付けはしない」と2007年に宣言していたが、

まだ僕らメンバーが色々と関係性もダンサーとしても定まっていなかったために

キムさんが(まあ割と一方的に)自分で振り付けをすることを決めた。


全体としてつまらないものではなかったと思う。

でも、面白いものでもなかったと思う。

キムさんが振り付けならまあ失敗はしないだろうと踏んでいた。

でも、微妙な違和感は残っていた。



本番が終わったあと

キムさんは恐ろしく疲れた顔をしていた。

舞台袖にキムさんはみんなを集めて

「みんなは凄くがんばってくれたけど、なんだろう・・・

僕はちょっと、まあ稽古中にもチラッと言ったんですけど・・ちょっとこの作品を、うーん、

どこに絞って良いのかって言うか、どこに焦点を当てれば良いのかわからなくてですね、

昔、バリバリ作品を作っているときはどんどんアイディアがでてきたんですけど、

ちょっとやっぱり、・・振り付けをしなくなって時間が空いたからか、全然思い浮かばなくてですね・・

なんか、最後までちょっと良くわからなかったです。

僕はこの作品を通じて皆さんに、ダンスをうまくなってほしいとかは全然考えてなくて

むしろ、何かひとつのことをやり遂げるためにどれだけのものをこう・・注がなければいけないか、

っていう、何か、魂のようなものを伝えたかったんですが・・・・・・・・・・うん・・・・・・・・・

全然だめでしたね。

今回僕は全然だめでした。

本当に申し訳ありませんでした」

と言って謝った。

キムさんはお詫びにもならないけどといってみんなに自分のヒストリーDVDを渡した。(絶賛発売中「glorious future?」)



その後、

車を家に置いてくるといって

僕に「もしも」の時のために打ち上げ代金を渡し

キムさんは

打ち上げに来なかった。



僕に渡したお金は15万。

はじめからきっと来る気なんかなかったのだ。



打ち上げ会場では

まあ笑い話にしてしまった。

「大学生の主催かよ!」って感じ。



でもさ、

まじめになんか話せないよ。



家に帰ってキムさんのヒストリーDVDを深夜まで見て

若いころの映像を見てさらに悲しくなった。



恐ろしいほど輝いていた

嘘だろって言うくらい


今最先端だとか言われているダンサーと同時代に存在しても

確実に蹴散らされていたであろう圧倒的なダンサーが

映像の中にいた。



決してお世辞にも器用な人間ではない

ダンスしかできないし、それで生きてきた。

頭固いし、何考えてるかわからないし、言葉足らずだし、子供っぽいし、

その男が枯れてきた才能を自覚し

それでもダンスを通して社会とつながるために何ができるかを必死に模索している。

そしてそのダンスを通して何もできなかったと言う無力感を

暗い部屋で一人でかみ締めている姿を思うと。

もうどうにもやりきれない。



それは孤独だ。




背筋が寒くなるほどの。


圧倒的な孤独だ。


とてもじゃないけどまじめになんか語れないよ。



でも同時に思ったのは、


あなたは悲しい。


だけど俺は先に行くよ。

僕はすくなくともあと一年は輝く未来にいる。

1 件のコメント:

Shun Furusawa さんのコメント...

伊藤キムの世界を構築する実験場としてのカンパニーから。(だいぶ前ですが)若いメンバーがキムの身体をいかに、めたくそに使いこなせるかのカンパニーへなったらしいのは言葉で聞いてます。

ただそこにおけるキムは0の存在であり、やはり他のメンバーとは違う存在だった気がします。

見たいのは「ワンプラスワン」正確にはワンプラスワンプラス…まあいいや。

お互い、もうぼっこぼこに殴りあった結果のような作品を見てみたいです。吐瀉物のかけ合いというか、相手が吐いたものを飲んじゃって、オエってなってまた吐き出しちゃって…。

無論、全力で盗んだり、影響し合っているとは思うんですけど、なんか別のスリリングな何かを見たい。

眼帯を蹴りとばしてしまうよーな。

通りすがりが不遜ですね。すみません。

ワールドダンスは個人的には面白かったです。